野鳥の撮影で覚えておきたいのはシャッター速度。シャッター速度が遅すぎるとブレた被写体が撮れてしまいます。
撮った写真の被写体がぶれる原因には大きく下の2つが考えられます。
- 手ブレ
- 被写体ブレ
手振れとは、カメラのホールドが甘く撮影の時にレンズが動いてしまって被写体がブレて写ってしまうことです。
被写体ブレは、被写体そのものが動いて被写体がブレて写ってしまうことです。
どちらもシャッター速度が遅いとブレ発生の確率が上がります。
今回はこの2つの手振れと被写体ぶれを抑えるシャッター速度について解説します。
手ブレを抑えるシャッター速度
手ブレは、適切なシャッター速度ではない場合に、撮影の時にレンズやカメラがぶれてしまうことで起こります。手振れによる振動によって、静止している野鳥や風景などの被写体がブレた写真となります。
三脚を使えば手振れ問題はほぼ解決します。しかし、三脚がない、手持ち撮影をしたい時は手振れを抑える必要があります。
今どきのカメラやレンズには手振れ補正を搭載したものが多くありますが、手振れ補正機能も完璧ではありません。
手振れ写真を極力抑えるコツは、手振れ補正を使わない場合のカメラ・レンズの適正なシャッター速度の目安を知っておくこと。
一般的に言われている最低シャッター速度は、焦点距離から計算可能。レンズの焦点距離の逆数を使って計算します。例えば、焦点距離50mmであれば最低シャッター速度は1/50秒、焦点距離200mmであれば最低シャッター速度は1/200秒となります。
止まっている野鳥を撮影する時、この計算を覚えておけば、なるべくISOを上げずに手振れ写真を抑えることができます。
ただあくまで最低シャッター速度であり目安なので、どうしても手振れが起きてしまう時はシャッター速度を上げて調整しましょう。
なお、被写体ぶれは手振れとは違う要因なので、被写体ぶれが起きる場合はシャッター速度を上げるしかありません。
野鳥の被写体ぶれを抑えるシャッター速度
野鳥は動く被写体なので、手振れの他に被写体ぶれが発生してしまうことがあります。シャッター速度をマックスに上げることが出来ればよいですが、ISO感度はなるべく低くした方が綺麗な画質になるので、野鳥の動きに合わせたシャッター速度の設定が重要になります。
被写体ぶれを防ぐための方法について解説します。
静止した野鳥撮影のシャッター速度
鷺や枝に休んでいる野鳥など、静止している野鳥はシャッター速度を遅く設定できます。
目安としては1/20秒~1/250秒以上。焦点距離から手振れしないシャッター速度も考慮します。枝に止まっている場合は、風によって野鳥が動いてしまうため、風によるブレも計算にいれてシャッター速度を設定します。
飛翔する野鳥撮影のシャッター速度
飛翔する野鳥撮影のシャッター速度は、1/2500秒以上を目安にします。経験上、1/1250秒だとやや被写体ブレを感じます。
以下の記事をご参考に。
シャッター速度を上げると、暗い場所での撮影の場合には被写体が暗くなって写ってしまうことがあります。
その時は、
- F値の数値を下げる
- ISO感度を上げる
で対応します。
ちょこまか動く野鳥のシャッター速度
枝や地面でちょこまか動く野鳥は、シャッター速度1/200秒~1/2000秒で撮影します。
野鳥の動きのスピードに合わせてシャッター速度を調整します。
明るい場所であれば1/1000秒~1/2000秒にしてISO感度も上がらないのでOK。
迷う時は1/2000秒以上で
撮影しながら、どうしてもシャッター速度に迷ってしまう時は、F値を最小値(開放)とし、1/2500秒以上に設定しておきます。暗い場所ではISO感度は上がってしまいますが、手ブレと被写体ブレはまず起きないので、安心して撮影できます。露出が暗くなってしまう時はシャタ-速度を下げて対応します。
シャッター速度を落としてわざと被写体ブレを起こしても面白い
逆に被写体ブレを起こして撮影する手もありです。野鳥が羽ばたくシーンなど、シャッター速度を調整して、体はブレずに羽だけブレさせてダイナミックな写真を撮るテクもあります。
まとめ
野鳥撮影のシャッター速度の目安は以下の通り。
- 止まった野鳥:1/20秒~1/250秒
- 飛翔する野鳥:1/2500秒以上
- 枝や地面で動き回る野鳥:1/200秒~1/2000秒
- 迷った場合は1/2500秒
ともかく、色んなシャッター速度で何枚も撮影してみて、体で覚えることをオススメします。
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