一般的に野鳥撮影は、コンデジよりもレンズ交換式のデジタルカメラの方が撮りやすく、綺麗に撮れます。しかし、逆にコンデジにもメリットがあります。
コンデジが有利な点は、レンズが別売りのレンズ交換式ミラーレスカメラに比べて安価なところ、機動力が高いところ、レンズの交換なく広角から望遠まで撮影の守備範囲が広いところです。
レンズ交換式デジカメよりも安価に手に入るため、野鳥撮影がどんなものか試してみたいという超初心者の方に良いと思います。
その後、レンズ交換式のデジカメを買ったとしてもサブ機として使えますし。
ということで野鳥撮影に使えるコンデジを調べてみました。
スペックから野鳥撮影に使えるコンデジを独断と偏見で評価し、個人的に欲しいコンデジベスト5選をシェアします。
野鳥撮影用として購入するコンデジのポイント
野鳥撮影用のコンデジとして押さえておきたい最低限の3つのポイントは以下の通り。
- 望遠性能
- 電子ビューファインダー付き
- マニュアルフォーカス
望遠性能
野鳥撮影に高い望遠性能は必須。
画像センサが1/2.3型の場合のコンデジでは、最低でも20倍以上は欲しいところ。20倍ズームですと35mm版換算でおおよそ480mmです。
できれば40倍以上あると撮影範囲が広がります。40倍ですと35mm換算でおおよそ960mmとなります。
電子ビューファインダー付き
野鳥撮影に電子ビューファインダーはあった方がよいです。
電子ビューファインダーがなくても野鳥撮影はできますが、背面液晶モニターは、晴れた明るい場所では被写体が見えにくいので撮影が難しいです。
またファインダーを覗きながら撮影することでカメラが安定し、手振れが軽減されます。
マニュアルフォーカス
マニュアルフォーカスとは、被写体にピントを合わせる時に手動で合わせることです。
自動でピントを合わせるのはオートフォーカス。オートフォーカスの逆です。
シジュウカラやメジロなど小型の野鳥は木の枝を飛び回るので、枝が被ってしまうことがあります。枝が被るとオートフォーカスのピントが枝に合ってしまい、野鳥にピントが合いません。
そんな時にマニュアルフォーカスがあると手動でピントを合わせることができます。
コンデジのベスト5
それではここ最近のコンデジを調べた結果の個人的なベスト5選を発表します。
- 1位 COOLPIX P1100,NIKON
- 2位 COOLPIX P950,NIKON
- 3位 DC-FZ85D,Panasonic
- 4位 PowerShot SX70 HS,CANON
- 5位 RX10IV(DSC-RX10M4),SONY
順位 | 1位 | 2位 | 3位 | 4位 | 5位 |
機種 | COOLPIX P1100 | COOLPIX P950 | DC-FZ85D | SX70 HS | DSC-RX10M4 |
メーカー | NIKON | NIKON | Panasonic | CANON | SONY |
センサ | 1/2.3型 | 1/2.3型 | 1/2.3型 | 1/2.3型 | 1.0型 |
有効画素数 | 1605万画素 | 1605万画素 | 約1810万画素 | 約2030万画素 | 約2010万画 |
35mm換算焦点距離 光学ズーム | 24-3000mm 125倍 | 24-2000mm 83倍 | 20-1200mm 60倍 | 21-1365mm 65倍 | 24-600mm 25倍 |
F値 | f/2.8-8.0 | F2.8-6.5 | F2.8~F5.9 | F3.4-F6.5 | F2.4-4.0 |
重量 | 約1410g | 約1005g | 約640g | 約610g | 約1095g |
ファインダー | あり | あり | あり | あり | あり |
Mフォーカス | あり | あり | あり | あり | あり |
連写(Hi) | 約7コマ/秒 (高速連写120fps:約120コマ/秒) | 約7コマ/秒 (高速連写120fps:約120コマ/秒) | 約10コマ/秒 (AFS時) | 約10.0枚/秒 | 最高約24コマ/秒 |
手振れ補正 | 光学式 | 光学式 | 光学式 | 光学式 | 光学式 |
RAW | あり | あり | あり | あり | あり |
タイトル | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る |
*重量は本体にバッテリーとメモリーカードを含んだ重さ
COOLPIX P1100 NIKON
NIKONのCOOLPIX P1100がオススメ第一位です。2025年2月28日に発売された超望遠ズームを搭載したコンデジとしては最新機種となります。
COOLPIX P950と迷いましたが、2025年に発売された最新機種ということでP1100を1位としました。
最大の特徴は、唯一無二の125倍の超ズーム。35mm判換算で24-3000mm。13万円台(2025年9月現在の最安値を参考)で3000mmのカメラが買えるの凄いです。
しかも広角端は24mm!
さらに被写体に約1cm※3まで近づいてピントを合わせられる「マクロAF」も搭載。
重量が1.4kgあるので、これをコンデジと呼んでよいのか微妙なところですが、1台あれば広角を活かした風景撮影から遠くにいる野鳥撮影、花に近づいてのマクロ撮影までオールマイティにこなせます。
飛びものと暗いところが苦手な感じはありますが、かなり離れた場所にいる野鳥をロックオンできるのは非常に魅力的。
COOLPIX P950 NIKON
NIKONのCOOLPIX P950が第2位です。
COOLPIX P950は、望遠ズーム83倍とし、P1100よりも軽量にし、価格を抑えたコンデジ。
望遠ズーム83倍といっても35mm版換算で脅威の2000mmなので、そんじょそこらの望遠レンズでは相手になりません。
お値段9万円台(2025年9月時点の最安値を参考)。
ちなみにフルサイズカメラの800mmの単焦点レンズ、NIKKOR Z 800mm f/6.3 Sはお値段80万円台(2025年9月時点の最安値を参考)。
(レンズやAFの性能が格段に違うので単純な比較にはなりませんが)
2000mmあれば、かなり離れた野鳥も楽々撮れます。
COOLPIX P950は、望遠ズームや重量以外の性能は1位のP1100とほぼ同等なので、少しでも安く、少しでも軽いカメラが良い場合は、COOLPIX P950を選べばよいでしょう。
LUMIX DC-FZ85D Panasonic
3位はPanasonicのLUMIX DC-FZ85D。
DC-FZ85の後継機種で、2024年7月に発売された新製品。今回紹介した中では2番目に新しいコンデジ。
レンズは35mm版換算で20-1200mm(60倍)。望遠の1200mmは野鳥撮影に十分の焦点距離で、広角20mmは紹介した中ではもっとも広角。ダイナミックに風景を撮る際に使えます。
超解像iAズームを使うと、なんと120倍までズームアップ可能。
重量が約640gと軽量なので、他のメインカメラを持って出かけた際のサブカメラとしても重宝します。
価格は5万円台(2025年9月時点の最安値を参考)。今回紹介したコンデジの中では最もお手頃な値段。
軽量で安いので、野鳥撮影ってどんなもんやろ?と気軽に始めるのに向いています。
SX70 HS CANON
4位はCANONのSX70HS。
SX70HSは生産が終了したのか、新品が市場に出回っている台数が少ないようです。
過去には7万円台で販売していることもありましたが、品薄なためか価格が高騰していており、現在は10万円を超えています。
画素数は2030万画素と今回紹介したコンデジの中では高く、望遠ズームは35mm版換算で21-1365mm(65倍)。DC-FZ85Dよりもズーム倍率が高く、望遠端も長いです。
重量はメモリーカードとバッテリー合わせて約610gと、DC-FZ85Dと同等なので、サブカメラとしても気軽に持って行けます。
本格的なレンズ交換式のカメラを買う前に、まずお試しに買うのによいカメラだと思いますが、値段高騰が気になります。
SX70HSの後継機種が出るのが待ち望まれます。
RX10IV(DSC-RX10M4) SONY
第5位は、SONYのRX10IV(DSC-RX10M4)です。
過去にはオススメ1位として紹介していましたが、すでに生産を終了しているようで、新品を購入するのが困難となっていますので、順位を落としました。
価格がレンズ交換式ミラーレス並みに高いのと重量が重いのがネックですが、センサーサイズが1型と他のコンデジの1/2.3型より広く、超高速オートフォーカスで0.03秒と反応が速いのが魅力です。
>>デジタルカメラ購入の検討材料として覚えておきたいイメージセンサのサイズ
望遠は3.5mm版換算で600mmで、若干物足りなさは感じますが、他のコンデジよりもセンサーサイズが大きいのは魅力。
超望遠ズームを搭載するコンデジの中では抜群に高性能なコンデジですが、生産終了が惜しまれます。
RX10IVも後継機種の発売を期待。
【SONY RX10IV(DSC-RX10M4)の写真のインスタ】
#rx10ivハッシュタグ – Instagram • 写真と動画
#rx10m4ハッシュタグ – Instagram • 写真と動画
コンデジのレンタル
紹介したコンデジは有料でレンタルも出来ます。買う前に、レンタルして試してみるのもありです。

野鳥撮影用コンデジまとめ
今回紹介した野鳥撮影としてオススメのコンデジは以下の通りです。
- 1位 COOLPIX P1100,NIKON
- 2位 COOLPIX P950,NIKON
- 3位 DC-FZ85D,Panasonic
- 4位 PowerShot SX70 HS,CANON
- 5位 RX10IV(DSC-RX10M4),SONY
野鳥撮影に特化するなら、多少重くなりますが、超望遠のNIKONのCOOLPIX P1100かCOOLPIX P950。遥か遠い野鳥をズバッと捉えることができます。
サブで持つのにオススメなのは、軽量のPanasonicのDC-FZ85DかCANONのSX70HSです。
SONYのRX10IV(DSC-RX10M4)は優秀なコンデジですが、生産終了となり新品の入手が困難になったのが残念。
実際の野鳥撮影の現場で見かけるのは、COOLPIX P950(P1100かも)もしくはRX10IVが多い感じ。
オートフォーカスの反応具合や持った感じは実物を実際に触ってみないとわからないので、大型の家電量販店か大き目のカメラ専門店で確認するのがよいと思います。
実際に野鳥を撮影して試したい人は、カメラのレンタルという手もあります。レンタル会社はレンタル機材の豊富なGOOPASSやCAMERA RENT
がオススメ。
カメラ・レンズ購入前に知っておきたい!野鳥撮影のためのレンタル会社と選び方
ちなみに、ここに挙げたコンデジはネオ一眼とも呼ばれています。コンパクトとは言えない大きさです。
また、各カメラメーカーはコンデジの開発には力を入れてない感触で、これから超望遠のコンデジの新製品の登場は期待薄。これからコンデジの種類は減少していくと思われます。
気軽に撮影できるコンデジで野鳥撮影をしたい、野鳥が撮れるコンデジをサブで携帯したいという方は、今のうちに購入しておく方が良いかもしれません。
なお、鳥AFを搭載したリーズナブルなレンズ交換式のミラーレスカメラも登場しています。コンデジの使用にこだわりがなければ、リーズナブルな鳥AF搭載のミラーレスカメラの購入を検討するのも良いかもしれません。
コンデジでは、AF応答速度やセンサーサイズの性能上、飛んでいる野鳥の撮影は難しく、暗い森での野鳥撮影では画質が落ちてしまいます。
>> 未経験者・初心者にオススメの鳥AF(オートフォーカス)搭載のミラーレスカメラ(2024年5月)ベスト7選+番外
カメラのキタムラの2025年9月のセール情報
- 2025年9月5日(金)18:00~9月8日(月)9:00まで
- 2025年9月12日(金)18:00~9月16日(火)9:00まで
- 2025年9月19日(金)18:00~9月22日(月)9:00まで
- 2025年9月26日(金)18:00~9月29日(月)9:00まで
楽天市場の2025年9月のセール情報
- セール期間 2025年9月4日(木)20:00 ~ 2025年9月11日(木)01:59まで
Amazonの2025年8~9月のセール情報
>> スマイルSALE
- 開催期間:2025年8月29日(金)9:00~2025年9月4日(木)23:59
【関連記事】
コメント
今、FZ85は、中古でも3万円で買えないですよ。2024年5月31日の今。
どんどん値上がりしてます。待ち続けても上がり続けるので5万円で中古買っちゃいました。なんだか複雑です。楽天とか今見たら、8万円超えていました。このまま行ったら10万円行きそうです。
値段の情報に関しては、古いかもしれません。
それとも、値段が下がる日はくるのかしら?
あすはくるのかさん、コメントありがとうございます。
FZ85は生産終了してますし、後継機種も出てないようですから、中古価格は上がりそうですね。
FZ85の後継機種が出れば中古価格は下がりそうですが、各メーカーもこの位置づけのコンデジの開発には力を入れてないようなので、新製品が出るのは難しそうな気がします。
手軽に野鳥が撮れるコンデジは、これから希少価値が上がるかもしれませんね。
FZ85の価格は調査してます。
とても役立つ情報をありがとうございます!特に、2025年の最新モデルについてのレビューが興味深かったです。おすすめのカメラがどれも魅力的で、野鳥撮影がますます楽しみになりました。実際の使用感やおすすめの設定など、さらに詳しい記事を楽しみにしています!